耳より!SPかわら版

健診現場で活かす!アンガーマネジメント

第8回:自分のタイプは?「威風堂々=自尊心の強い人」

"第8回:自分のタイプは?「威風堂々=自尊心の強い人」 自分が何であんなに怒ったのか、何に対してイライラしたのか、覚えていますか?確かに怒ったことは覚えているのだけれど、怒ったきっかけはもう覚えていないということはありませんか?これは、その時の状況(相手、言葉、行動)は記憶から抜け落ち、怒りの感情だけが記憶された状態と言えます。具体的な状況が不明なままでは、以後同じような場面に直面しても、怒りの感情に対処することができません。 そこで自分のイライラ・怒りを記録し続けることで怒りの傾向を知ることができ、対処がしやすくなる「アンガーログ」というテクニック(日時、場所、どんなことがあった、自分はどう感じたのか、その時の怒りの強さを10段階で評価した数字を、イラッとしたらその都度記録する方法)を前回、紹介しました。アンガーログをつけ始めた方は是非継続してください。まだこれから、という方は怒りに気づいた時からで構わないので、始めてみてください。 そして、ある程度ログ・記録が溜まってきたら、時間のある時にじっくり見返してください。怒りやすいのが朝なのか夕方なのか、週の始めなのか終わりなのか、場所は家庭なのか職場なのか、それとも電車の車内や車の運転中なのか、といったことが見えてきます。怒りやすい状況がわかったら、その状況を避ける工夫や努力をしてみましょう。例えば、朝、電車の車内でイライラすることが多いなら、もっと早い時間の電車に乗る、別の車両に乗る、一つ手前の駅で降りて歩くといったいつもとは違うことをして、日常のルーティーンに自ら変化をつけてみてください。行動の変化から、思考の柔軟性が高まります。 今回の怒りのタイプは「威風堂々=自尊心の強い人」です。自分に自信があり、前向きに進む力を持っています。自尊感情が強く、誇り高い品格の持ち主です。ソツのない行動力や面倒見の良い人柄、堂々とした態度に、周囲からリーダーとして慕われることもあるでしょう。一方で、人から邪険にされたり、軽んじられたりすると傷つき、怒りに変わります。物事が思い通りに進まないとイライラし、欲しいものが手に入らないとストレスが溜まります。他人の評価を必要以上に気にするところがあり、それによってストレスを感じることもあります。 【事例】 ・自分を理解してくれる上司や同僚に恵まれないと、ネガティブな思考に陥って自分を責めてしまいすぐに落ち込む ・開始時間には仕事をスムーズに始められるようにしたいのに、机や椅子の配置はおろか、必要な診療器具や用紙の準備までも整っていない ・終了時間間際に受診者が慌てて飛び込んでくる ・スタッフが挨拶をしてこない ・声を掛けたのに、誰からも返答がなかった ・会場に入ったら、スタッフや他の医師が急に話を止めてそそくさとその場を離れた 感情トラブル回避術 対処方法としては、 1)謙虚さを大切にする: 自信を持つのは良いことですが、自信過剰な態度や言動は周囲から煙たがられます。謙虚な姿勢を忘れないようにしましょう。 2)意見と批判を区別する: 「先生、このようにした方がスムーズに運ぶのではないですか?」というのは意見であって、「この先生はダメだ」と人格を否定している訳ではありません。あなたの考えや行動に対して意見されたことを「人格を否定された」と思い込むと怒りが生じやすくなります。意見と批判は別のものと区別しましょう。 3)人の言動に振り回されない: 人に大切にされなかったからといって、あなたの価値が下がるわけではありません。必要以上に 落ち込まないように。 "

2015-11-24

"一般社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントシニアファシリテーター 須田愛子"