耳より!SPかわら版

感情によるトラブル回避術

第10回:アンガーログ:怒りにくい頭へ 〜その1〜

"アンガーログ:怒りにくい頭へ 〜その1〜 「あの人を見ると何だかイライラする!」と思わず口にした時に、同僚から「何があったの?」と聞かれると、自分がどうしてその人を見るとイラつくのか、以前どんな事でその人に対してイライラしたのか、うまく答えられないことはありませんか。 このような場合の対処の方法としては、アンガーマネジメントの中心的な役割となる「アンガーログ」、別名「イラッとメモ」が有効です。 これは怒りを感じたらログを書く、つまり記録をすることで、長期的に怒りにくい頭を作るうえでも、短期的な対処方法としても役に立つ、まさに一番中心のテクニックです。 アンガーログを習慣化できれば、アンガーマネジメントの基本のテクニックを身に付けたと言っても過言ではないでしょう。 感情トラブル回避術 怒りはそれ自体があいまいで、把握しにくく、捉えどころがありません。 怒りやイライラを感じることはありますが、それがどのような怒りだったのかはっきりと覚えていないことが多々あります。覚えていなければ対処しようと思っても出来ません。 そこで記録に残すことが大切なのです。 実際記録する事柄は、1)怒りを感じた瞬間や場所、2)どういう出来事があったのか(事実のみを書く)、3)どのように思ったのか・感じたのか、4)怒りの強さ(第8回で紹介した「スケールテクニック」の10段階で評価)の4項目です。 例えば、以下のようにメモしてみてください。 1)日時:6月9日 夕方 場所:ナースステーションにて 2)出来事:入院患者様の妻が入浴時間の予約をしに来たが、時間を決められないまま、ナースステーションから離れず、入浴とは関係のない事柄についても話しかけてきた。 3)感じたこと:患者様が何を言いたい・伝えたいのかわからない。おしゃべりをしに来ているようにしか思えない。早く入浴時間を決めてほしい。あと1時間以内に終えなければならない事務作業に取り掛かれず、イライラした。 4)怒りの強さ:3 書くことで気持ちがクールダウンでき、出来事や自分の怒りを客観的に見つめることができるようになります。 アンガーログは怒りを「見える化」する作業と言えます。 上記の場合、イライラの背景には、夫の入院で不安を感じている患者様の妻の気持ちを思いやるだけの時間の余裕、気持ちの余裕が少ないことが透けて見えます。 紙に書き出すことによって、「あの人、苦手。そばに来てほしくない」と思うようなイライラした感情が徐々にやわらいだり、解決の糸口を見つけるきっかけになったりするのです。 「自分に余裕が少ないことは、入院患者様の身内の精神的な負担と比べたら、大したことではないかも」「長時間のおしゃべりは勘弁だけど、3分なら付き合えるかも」と気づくだけでも、気持ちの整理になります。 さらに、これを長期間続けていくと、自分の怒りの傾向やパターンがより明確にわかるようになるので、対処方法についても考えやすくなります。 アンガーログを付ける際は、怒りを感じたらその都度、あまり深く考えずに書き出すことがポイントです。 詳しく思い出そうとするとイライラの原因を探しがちになり、その怒りの中に再度自分の身を置いて、ますます怒りが大きくなった状態で追体験してしまうので、記録する際は簡単な内容で十分です。 そして、その怒り・イライラについて分析をする必要はありません。 あくまでも出来事とどう感じたか、10段階評価ではいくつ位の強さなのかを記録していくことが大切です。 ただし、気分が沈みがちな時や落ち込んでいる時は、書くこと自体が苦痛に感じるかもしれません。 そのような時は無理に書き出す必要はないとご理解ください。 "

2015-06-16

"社団法人日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメントシニアファシリテーター 須田愛子"